読書の秋に読んだ本

読後の喪失感.底知れぬ不安が襲ってくる秋が嫌い.

1冊目

それをお金で買いますか 至上主義の限界

お金の力が及ぶべきではない場所,市場が侵入すべきではない場所があること.
罰金は道徳的な批判の意味合いを含み料金は道徳的な判断を含まないが,時として人は罰金を料金のように扱うこと.

値段が付いて売買されているすべてのものについて考えさせられる本だった.

市場や商業は触れた善の性質を変えてしまうことをひとたび理解すれば、われわれは、市場がふさわしい場所はどこで、ふさわしくない場所はどこかを問わざるをえない。

身近な生活への影響が容易に想像できるから怖い.

2冊目

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

以下,7つの習慣

  1. 主体的である
  2. 終わりを思い描くことから始める
  3. 最優先事項を優先する
  4. Win-Winを考える
  5. まず理解に徹し、そして理解される
  6. シナジーを創り出す
  7. 刃を研ぐ

1から3までが私的成功,4から6までが外的成功,7が再新再生
7つの習慣はどれも出来れば良いに決まっている内容だが,高めるのは難しそう.
自分は第5の習慣ができていないと感じた.「相手を理解する≒わかりあえないものと思い諦める」といった考え方をしているフシがあると思った.

刺激と反応の間には選択の自由がある

キレそうになったら思い出そう.

「ワークマンはなぜ2倍売れたのか」を読んだ

近年イケイケなワークマンの本は,土屋哲雄氏の本だった.

「誰からも仕事を引き継がなかったし、引き継ぎ書も書かなかった。まあ、三井物産というのは本当にいい会社で、当時はマニュアルに書いてある仕事はやらなくてもよかった。だから、属人的な仕事しかしないと宣言して、自由にやらせてもらった」

個人的に引き継ぎ書は書けよ!とは思ったが,読み進めるにあたり,全く逆のことをしているのではないかと感じるほどのワークマンでの仕事. 特に,ワンタッチ発注すごすぎる.自分の中で店長および店舗スタッフの仕事の概念が変わった.

計画ではなく、ビジョンを名乗ったのは、明確な理由がある。「計画には期限があるので、だいたい守られない。ところが、ビジョンには期限がないから、必ずやる。言い続ける限り達成できる」

なるほど,これがビジョンの正しい使い方

データ経営推進ということで,賃上げという「アメ」でモチベーションを上げ、その代わりに「ムチ」としてデータ分析を学ぼうと呼びかけ.人によってはアメとアメ

日本企業は「個人の頑張り」に頼った経営が多い。そうではなく、会社全体として「勝てる仕組み」を作ることが重要だと土屋氏は考えた。

禿同

ワークマンに行ってみたくなった.シューズほしい

また大学生が読みそうな本を読みました

Kindleで読んでいると物理本も良いなと思う.中途半端に読んで投げておけるのが良い.
そもそも,コロナで外出が減って移動時間で本を読む機会がほとんどなくなったので電子の利便性を活用できていない.

ところで,今回読んだ「20歳のときに知っておきたかったこと」を買ったのは2020年7月5日だった.読みたいと思って買ったのに放置しすぎた感は否めない.2015年からレコーダーにて熟成されている映画に比べたら早く消化できたのでよしとしよう.

この大学生が読みそうな本は,スタンフォード大学集中講義シリーズで「未来を発明するためにいまできること」(未読)と抱き合わせセールにて買ったものだ.
以前も同じようなタイトルのものを読んだ気がする

「人生は20代で決まる」を読んだ - 暴力反対日記

同じジャンルの本を2冊も読むなんて時間がもったいないと思ったが,「思考の整理学」で学んだ積読理論(同じジャンルの本をある程度積んでから読み込むやり方で,特定分野で重要で多くの本で取り上げられている知識をつけることが出来るという理論)を思い出して自己正当化した.

本の内容は,キャリアの他に意思決定やリスクのとり方について(技術的な話ではなくマインド)と,著者が自分の息子に知っておいてほしいことが書いてあった.

母は一〇歳のわたしに、お礼状の書き方と、お礼状を書くことがいかに大切かを教えてくれたの

お礼状の話はとてもよかった,最も大事なことは日常の当たり前なことにあっておざなりにしてはいけない.感謝感激雨嵐

memo
・判断に迷ったら,将来その時のことをどう話したいか考える
・自分に許可を与える

「思考の整理学」を読んだ

はじめに

東大・京大で一番読まれたと帯に書かれていた本を読破.

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

これで実質東京大生.

感想

飛行機人材として頑張るぞと思った.燃費は非常に悪いけど...

ブレストで忘れてはならない事

とても、実現の望みのないような案もあらわれるであろうが、ブレイン・ストーミングの〝ルール〟では、どんな奇妙な考えでも、それをほかのものが、そんなつまらない、とか、非現実的な、とかいって水をさしてはならないことになっている。

アイディアが批判によって消えて(消して)しまわぬように.

積読についての箇所は考え方が新鮮で面白かった.積読を肯定されたので,気兼ねなく積んでいくことにする. 積読棚欲しい

半日で読めるようなボリュームなので,もっと早くに時間を作って読めばよかったと思った.買ってから半年立ってたよ

「NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX」を読んだ

はじめに

みんな大好きネットフリックスの無法地帯本を読みました.

結論:自由を続けるには相応の努力が必要でした.

感想

最近ネットフリックスで動画をほとんど見なくなっていたが,この本は読んで良かった.

ネットフリックス社員ではない自分でも,その裏付けや歴史を含めてネットフリックスの文化を知れて良かったと思う.

コンテキストとコントロール.個人的に最近良く聞く言葉.
ネットフリックス的なやり方が適している場合とそうでない場合,歴史的な背景も含めてなるほど理解.

あと,日本におけるフィードバック文化について述べてる箇所なんかは日本の文化的な特徴をよく捉えているなと思った.カルチャーマップが面白いのでぜひ見てほしい.
なんとなく分かっていることが言語化されていると,読んだ後の理解が一気に進んで気持ちよかった.

組織開発,無限に可能性(やりよう)がありそうで楽しみな分野.

「フェルマーの最終定理」を読んだ

はじめに

ガクセイなので初心にかえりサイエンスブックの名作
サイモン・シンフェルマーの最終定理を読んだ

高校生の時に読んでおきたかった!!!!

数学が出来ないくせに大学で情報工学を学んでいたが,講義は理系教養科目を除けば応用的な内容(コンピュータサイエンスを体系的に学ぶカリキュラム)が多く,どちらかといえばパソコンカタカタしている時間がほとんどだった.

この本読んでもっと数学に真剣に向き合っていれば良かったなと思った.これからやるけど

感想

去年末に購入し,隙間時間で少しずつ読み進めて一ヶ月半で読み終えた.
処理能力が低いくせにマルチタスクやりがちな自分にしては中々速いペース
純粋に内容が面白かったのが大きい.サイモン・シンの筆力

本書は,アンドリュー・ワイルズによる「フェルマーの最終定理」の詳しい証明内容が説明されているわけではなかった.数学ができない自分でも内容理解に支障はなく,数学の歴史を踏まえて完全証明に至るまでの物語を楽しめた.

しかも,意外だったのは最終定理の証明に関係する日本人が複数出てくること.
ワイルズも存命だし,こんな天才と同じ時を生きているなんて凄い!という気持ちになった.

なるほどな話

紀元前300年頃,アレクサンドリアに世界で初めて設立された図書館ができた時代
そこの数学部門の責任者はかのエウクレイデス(ユークリッド

あるとき1人の生徒が,「今教えていただいた数学はどんなことに使えるのですか」とエウクレイデスに質問した. 授業が終わるとエウクレイデスは従者に向き直ってこう言った. 「あの少年に小銭を与えなさい.彼は学んだことから利を得たいようだからね」 そしてその生徒は放校となった.

笑えない.自分が知らないことや理解できないに対してはよく言ってしまう言葉かもしれない.これは数論の流れで出てくる話題であり,エウクレイデスの「原論」に触れ帰謬法へとつながるので面白い.

学ぶにふさわしくないものが小銭を握らされ追い出される時代
今ではカネを払っているんだから何をしても良いなんて思ってはいけない(自戒)

「武器としての「資本論」」を読んだ

はじめに

週刊東洋経済 コロナの時代の新教養」で紹介されていた本の一冊
普段は東洋経済は全く読まないが,なりゆきで読むことに
真っ赤な表紙と漠然と資本主義社会に生きる人間として見逃せない「資本論」という言葉に惹かれて購入

武器としての「資本論」

武器としての「資本論」

資本論に関する本を全く読んだことはないが,著者いわく

資本論」が現代資本主義の有様をいかに鮮やかに照らし出すかを強調するために,非常に体系的に書かれている「資本論」の記述順序を無視していくつかの概念に絞った説明を提示しました

とあり,著者が「資本論」を通じて訴えたいメッセージが書かれている本だとらしい.

個人的に気になった箇所の感想を書こうと思います.

生殖までもが「商品化」される

商品でなかったものがどんどん商品化されるようになってきて,その勢いはとどまるところを知らない

ここから資本主義を理解していきました.
昔の人が自らの手で賄っていたようなもの,例えばペットボトルのお茶なんかが商品になる例から始まり,ゆくゆくは生殖までもが商品化されると.

「それをお金で買いますか」

日本の歴史になぞって,いかにして資本主義社会になったのかを説明しています.
明治時代の身分制の廃止と土地の売買の自由化により,土地と人間の商品化への道が開かれ,現代の資本主義へとつながります.ここで,人間は商品を生産する商品となるわけです…

包摂

包摂とは,定の範囲の中に包み込むこと.

労働過程をまるごと資本が形づくってしまった状態を,マルクスは「実質的包摂」という概念で捉えた

生産工程が細分化され,労働者一人ひとりは決まりきった作業をやらされるようになります.これは肉体の動きが完全に包摂されるということだと解説しています.

いつから歯車となって戦う男になってしまったのでしょう…

肉体を資本によって包摂されるうちに,やがて資本主義の価値観を内面化したような人間が出てくる.すなわち感性が資本によって包摂されてしまうのだ

魂の包摂.「個」を喪失した傀儡へ

人間の感性が資本に包摂されてしまうことについては,「新自由主義」(ネオリベラリズム)視点から解説があります.
「小さな政府」「民営化」「規制緩和」「競争原理」などのキーワードだけ置いておきます.

新自由主義が変えた人間の魂・感性・センス

資本の側は新自由主義の価値観に立って,「何もスキルがなくて,他の人と違いがないんじゃ,賃金を引き下げられて当たり前でしょ.もっと頑張らなきゃ」と言ってきます.それを聞いて「そうか,そうだよな」と納得してしまう人は,ネオリベラリズムの価値観に支配されています

これに衝撃を受ける労働者は多いのではないでしょうか?
自身も評価面談で似たようなことを言われました.納得はしませんでしたが,どう言って良いかもわかりませんでした.心の中では,ここに長くいることはないという漠然とした気持ちだけがはっきりした瞬間になりましたが

労働者階級

賃金労働者として生計を立てている限り、私たちは労働者なのですから。その私たちが、労働者のアイデンティティに誇りを持たなくなってしまった。学歴がある、スキルがあるからたくさん稼げる。稼ぎが低いのはスキルがないからで、それは人として価値がない証拠である。そんな低レベルの連中とはさっさとオサラバして階級上昇を目指すのが当たり前だ.

男はつらいよ」を例に,資本による「包摂」の深化を説明していたところです.
階級毎の感性…全く考えたことがなく面くらった箇所で,理解が追いつかず

「有用性」と「価値」,この両者の二重性あるいは対立は「資本論」の重要なテーマ 生産手段を持っていない存在,端的に言えば「仕事がなくて無一文」ということ

受動的な消費者

消費者然としている学生は,決まってつまらなさそうな顔をしています.おそらく人生がつまらないのでしょう. 彼らには「自分で面白いことを見つけて,それを学ぼう」という考えはなくて,「どこかから面白いこと,楽しませてくれる何かが自分を目がけて振ってきて,それを自分を楽しませてくれるのがあるべき姿だ」と思っています

この後に,

「先生の話がつまらない」「何を言っているのかわからない」という時に,「それはひょっとすると自分の知力が足りないためではないか」とは絶対に思わない.

と続いて,大学生の頃を思い出し納得しました.とても耳が痛い.
逆に今は,何故か勉強(出来ないこと)に励んでいるので我ながら良い方向に進んでいるのではないかと思っています.

学生諸君は先生に向かって「こいつは何をわけのわからないことを言っているんだ.」なんて言わないように(戒め)

資本の本質

増えることそのものが資本の本質

「増えることによって,人々が豊かに成る」ことは資本の目的ではない

しらなかった.人々が豊かになることがどうでもいいことだったなんて

労働の価値

労働によって形成される価値 > 労働力の価値
労働力の費用以上の価値を労働者が生成することを,剰余価値の搾取といって資本主義では当たり前

労働者の賃金水準は,労働者自身が生きて,労働者階級が再生産されるのに必要な費用に落ち着く(リカードによる賃金の生存費説)
搾取によって死んでしまう < 賃金 < 金持ちになって働かなくて済む

少ない収入でなんとかしてやりくりして生きていかなくてはいけないという状況の下でそうしたマインドが生じるわけですが,「必要」の水準が自己評価に結びついているため,デフレマインドに陥ることで,自己評価もどんどん低くなってしまう

だめじゃん

資本制と奴隷制

近代社会は「自由・平等・人権」を掲げ、かつてのような人による人の支配を根本的に否定し、人格の尊厳を確立した──と言われています。ただしそれは建前上の話であって、「資本による労働者の支配」という現実があるかぎり、私たちの社会は奴隷制の痕跡を残していると言えます。

さらに封建制を加えて,労働者自身ためのの労働と資本家のための労働について説明しています.
資本制は,資本のために生産性を上げているのに,自分のために生産性を上げていると錯覚してしまう特徴があるので気を付けましょう.(無理)

搾取の限界

19世紀のイングランドで制定された工場法と働き方改革は同じ?
先に述べた労働者の賃金水準が,搾取によって死んでしまうラインを超えてしまったために作られたのだとしたら…資本主義恐ろしい

フォーディズム

高い賃金で労働者を消費者に! 裏には,生産ラインに労働者張り付かせても剰余価値生まないから知力や感性といった能力で剰余価値を生もうという転換
認知資本主義というらしい

普通に働いていればいい時代の終焉

知力の時代到来(イノベーション!)

中流階級没落

ト○ンプ政権爆誕???

でも本書では,イノベーションはその場しのぎだよね…と説明していて,今度はグローバル化により労働力の価値引き下げに活路を見出していきます

おわりに

自分の付けたハイライトを元に感想を書いてみました.
結構,これってどういうことだっけ?と思うところがあり,読み返したりして全然進まなかったので,9章ぐらいまでで諦めました笑
TODO:その時々で感想をメモる

あと労働者の身なので内容がとてもつらかった!
現代のプロレタリアート代表たるエンジニアなんて全く報われないじゃないかとさえ思うほどに.

キャッシュレス化においても,お金のやり取りを全て電子データに置き換えることで,お金のやり取りの記録が残ることなるから,そんなものは調べられるに決まっている!
とか言われて,VISAタッチ便利!とか言って喜んでいる俺って…

最後に一言
俺達は贅沢をして良いんだ!(財布の中身を確認する)