読書の秋に読んだ本 その2

本を読めと言われていた学生のときはほとんど読まなかったのに社会にこき使われて時間がなくなってからよく本を読んでいる謎

その1

sasassasadango.hatenablog.com

3冊目

THE MODEL マーケティングインサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

マーケでも営業でもないへっぽこエンジニアだが読んで良かった.
新しいフレームワークを学んでいるときのような感覚がした.

分業体制のメリットは、最終的な売上だけを見るのではなく、 各プロセスを担う部門のパフォーマンスを評価する中間指標を設定し、どこがボトルネックなのかを把握し、すぐに対策が打てる

分業と聞くと,縦割りで社内が分断されて...みたいに考えがちだったが,感情を廃して考えてみるとメリットは強力だと気がついた.

しかし,インサイドセールスやカスタマーサクセス部門を作るだけでは駄目で,まだ顧客が気づいていない課題に気づかせてあげることへとつながるマネジメントが不可欠なのだ.このマネジメントとは,部門と部門をつなぎ目で起きていることに目を凝らして,メンバーに会社としての優先順位を明確に伝え,評価においては継続的なコミュニケーションが必要になる. つまり,マネジメントは「管理する」という発想ではなく,自ら「現場で何が起こっているかを理解する」というマインドが求められる.

現場の担当者目線での指標をもとに経営層に説明しようとするからだろう。担当者はクリック率や施策のコンバージョンなどについて、こう数値が改善した、このような効果が出たと説明しがちだ。しかし、経営陣からすれば、それらがどう売上につながるのかがわからない。

部門やそこに属するメンバーに合わせたマネジメントによって,上記のような溝が埋まっていくのではないかと考えた.

最後になるが,あれば便利だが,なくても業務が回る領域のサービスを開発して販売している会社で働いている身としては,本で紹介されているようなモデルを参考に取り組んでもらいたいし協力したいと思わせてくれる良い本だった.(前職では営業とカスタマーサクセスは敵だと思っていた人の発言)

併せて読みたい本:ザ・ゴール

4冊目

リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術

2021/11/16現在 プライム会員なら無料で読めるのでぜひ読んでもらいたい一冊.

リフレクションの目的は、あらゆる経験から学び、未来に活かすことです。どのような経験にも、たくさんの「叡智」が詰まっています.

宗教っぽい出だしだけど,中身は本物.

リフレクションには「認知の4点セットが必要」
認知していることを認知するメタ認知力を高めることを目的とし,事実や経験に対する自分の 判断や意見を、「意見」「経験」「感情」「価値観」に切り分けて可視化するもの

例)一つ上のステージに進みたい時
これまでの結果を出せた理由を説明し、自分が経験を通して得たノウハウや知恵を他人に伝授することが不可欠.そのためには,過去の成功体験を手放す必要がある.

ここで,成功体験を手放すには,過去の成功体験からどのようなものの見方や価値基準が形成され,そのうちどれを手放す必要があるのかを認知し,自分が何を知覚してどのような判断をしたのか(意見)、その背景にはどのような経験や感情、価値観が存在しているのかを知ることで、初めて、自分のリフレクションを俯瞰することが可能になる.

ただし,リフレクションの難しいところとして,「人間は、自分の見たいものを見たいようにしか見ない」といった自己の認識依存があることを忘れてはいけない.
「こうすれば、うまくいくはずだ」と思っている自分の存在や,自分の行動を変えないほうが望ましい正当な理由があるなど.(こういうときにはアンラーン.行き詰まったらアンラーン)

以下メモ

  • ビジョンと現状のギャップを埋めようとする内発的動機クリエイティブテンション

  • 創造的な仕事は、「ねばならない」ではなく、「〇〇を実現したい」という「Want」が前提

  • 反対意見に遭遇したら、 あなたの意見に反対している訳ではなく、その人は意見の背景にある大切な価値観を守っているだけ

  • 合意形成をするときには、意見の違いに焦点を当てるのではなく、 その意見の背景にある経験と価値観に注目

  • 多様性を包摂するときには、「自分も多様性の一部、相手も多様性の一部」と捉える

ちゃんとおわりにまで読んで良かった.

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