「フェルマーの最終定理」を読んだ

はじめに

ガクセイなので初心にかえりサイエンスブックの名作
サイモン・シンフェルマーの最終定理を読んだ

高校生の時に読んでおきたかった!!!!

数学が出来ないくせに大学で情報工学を学んでいたが,講義は理系教養科目を除けば応用的な内容(コンピュータサイエンスを体系的に学ぶカリキュラム)が多く,どちらかといえばパソコンカタカタしている時間がほとんどだった.

この本読んでもっと数学に真剣に向き合っていれば良かったなと思った.これからやるけど

感想

去年末に購入し,隙間時間で少しずつ読み進めて一ヶ月半で読み終えた.
処理能力が低いくせにマルチタスクやりがちな自分にしては中々速いペース
純粋に内容が面白かったのが大きい.サイモン・シンの筆力

本書は,アンドリュー・ワイルズによる「フェルマーの最終定理」の詳しい証明内容が説明されているわけではなかった.数学ができない自分でも内容理解に支障はなく,数学の歴史を踏まえて完全証明に至るまでの物語を楽しめた.

しかも,意外だったのは最終定理の証明に関係する日本人が複数出てくること.
ワイルズも存命だし,こんな天才と同じ時を生きているなんて凄い!という気持ちになった.

なるほどな話

紀元前300年頃,アレクサンドリアに世界で初めて設立された図書館ができた時代
そこの数学部門の責任者はかのエウクレイデス(ユークリッド

あるとき1人の生徒が,「今教えていただいた数学はどんなことに使えるのですか」とエウクレイデスに質問した. 授業が終わるとエウクレイデスは従者に向き直ってこう言った. 「あの少年に小銭を与えなさい.彼は学んだことから利を得たいようだからね」 そしてその生徒は放校となった.

笑えない.自分が知らないことや理解できないに対してはよく言ってしまう言葉かもしれない.これは数論の流れで出てくる話題であり,エウクレイデスの「原論」に触れ帰謬法へとつながるので面白い.

学ぶにふさわしくないものが小銭を握らされ追い出される時代
今ではカネを払っているんだから何をしても良いなんて思ってはいけない(自戒)